太淵

太淵(たいえん)と言う経穴(ツボ)があります。手関節前面(手掌側)の親指側にあり、肺を司る経絡上に存在するツボです。「臨床経穴学」(東洋学術出版)及び「針灸学(経穴編)」(東洋学術出版)によると、以下の病気・症状に効果があるとされています。

・呼吸器系 :咳、喘息、肺炎、胸膜炎、副鼻腔炎、鼻炎、喉頭炎、咽頭炎等
・消化器系 :お腹の張り、ゲップ、嘔吐、便秘等
・循環器系 :狭心痛、動悸、無脈症等
・肺の経絡上の諸組織 :肘や腕、手関節の痛み、痺れ等
・その他 :月経痛、肋間神経痛、尿漏れ 等

通常私たち鍼灸師が鍼治療を行う時、全身の気血の流れを整える治療をした後、例えば腰痛等の主訴(局所)の治療を行います。勿論、全身治療で主訴の症状が治まってしまえば、無理して主訴に対する治療を行う必要はありません。

全身治療にしても局所の治療にしても、流派によってアプローチが異なります。中医学に基づく治療、日本の伝統的な鍼灸術である経絡治療、長野式鍼灸術等、様々な流派があり、それぞれの治療原則に基づき治療を展開します。
いずれの流派も、問診の他、脈や腹、舌等を診て、使用するツボを決めていきますが、私は最近、それを前提としながらも、どこのツボを使ったらよいか潜在意識に問いかけるようにしています。

そのようなやり方で、最近、腰痛の治療点を探していたら、少なからずの方に太淵が挙がりました。上述しましたように、太淵は肺の経絡上のツボで、古典にも腰痛に効果があるとは記載されていません。しかし潜在意識に問いかけると腰痛の治療点として太淵が挙がり、そこに鍼を打つと症状が消失・軽減していくのです(勿論、全身治療との相乗効果もありますが)。

長野式鍼灸術を開発した故 長野潔先生は、病気の7割が扁桃の炎症に起因すると述べられていました。また免疫学で有名な西原克成先生も、口呼吸による扁桃の炎症は万病につながると話されています。更には、東京医科歯科大学 元名誉教授 故 堀口申作先生は、鼻の奥の方にある鼻咽腔と言う領域(上咽頭)の炎症は、身体各所の病気と密接な関わりがあると述べられています。

また喫煙や大気汚染により肺が炎症を起こすと、TNF-αと言う物質が産生され、それが細胞障害や炎症を引き起こし腰痛を発症させることも考えれます。

そんなことを考えると、扁桃や上咽頭、あるいは肺の炎症に効果があるとされる太淵への刺激は、腰痛にも効果があるのかもしれませんね。
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by d_mitsuda | 2012-06-22 21:08 | はり灸


木の香治療院 院長日記


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