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斎藤君子氏

「ナプフリへの道」(第3版)の前書きに記述した斎藤公子氏が、今年の4月16日、虚血性心疾患のため亡なくなっていることを、つい先程知りました。斎藤氏の教育論には共鳴するところが多く、敬愛すると共に、いつか会いに行こうと思っていた人であったために、この度の死は驚きと共に、残念でなりません。

斎藤氏の教育について幾つかウェブでコメントがありましたので、哀悼の意を込め、ご紹介いたします。

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「人間の土台」作る子育て法

 多くの保育者が共鳴する保育法は、長年の現場経験から生まれた。子育ての要点は木登り、ぞうきん掛け、そして両生類のように体をくねらせて進むハイハイ。すべて足の親指でける運動だ。

 足の親指や背骨を刺激する「リズム運動」を考案して発育を促し、子どもが描いた絵を見て発達の状態を見極めてきた。

 「生物が魚類、両生類を経て哺乳(ほにゅう)類に進化したように、個々の人間も一生のうちにこの過程を繰り返すのではないか」。実践の中で到達したのは、生物学者も提唱する一つの理論だった。

 健常児も障害児も隔てなく受け入れる保育法は「斎藤保育」と呼ばれ、1990年代に全国約90の保育園に広まった。

 保育者として脂の乗った40代から60代。地元埼玉県深谷市にあるさくら・さくらんぼ保育園の園長となり、朝から晩まで園児に寄り添った。事務室に自分の机を置かないことが自慢だった。

 晩年、助手を務めた山村周さん(37)は「子どもの心をすっとつかんでしまう不思議な力を持っていた」と振り返る。半面、理想の保育を追求し、自分にも他の保育者にも妥協を許さなかった。

 リズム運動は園児の動きに合わせるため、テープではなくピアノを使った伴奏にこだわった。紙おむつの使用は禁じ、手間がかかってもおしめを替えさせた。保護者の理解を得るため、何度でも話し合うことを求めた。

 手間と費用のかかる保育手法のため、脱落していく保育園もあったが、まいた種は日本の保育界に着実に根付いている。

 強く異を唱えてきたのは、昨今の乳幼児に対する早期教育ブームだ。「どんなに早く文字や知識を身に付けさせても、生きる意欲や情熱は育たない。私は人間の土台を作りたい」。信念は最後までぶれなかった。
(「京都」20090606)

http://www6.plala.or.jp/kyotohorimaru/tusin09/090609.htm
より転載
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本日付の朝刊(神戸新聞)に、斎藤公子氏の訃報が出ていた。

懐かしい名前である。民間教育研究団体の音楽教育の会とも関係されていた(木村次郎作詞、丸山亜季作曲「チポリーノの冒険」は、氏が園長をしていたさくら・さくらんぼ保育園の園歌である。昔は、この歌の題や作曲者の名前を聞くと、音楽教育関係者は目を輝かせるか眉をひそめるかしたのだが、最近は「知らない」という人ばかりになった)。

若い頃に氏の書かれた著はたくさん読んだ。少し探したら、本棚から次の著が出てきた。

斎藤公子『さくらさくらんぼのリズムとうた --ヒトの子を育てる保育の実践--』群雄社,1980

一度実践を見に行きたいと思っていたのだが、かなわなかった。ただ、その「斎藤保育」の影響を受けた実践を見せてもらったことはある。あるところにその実践を書いたが、とても書ききれなかった・・というよりその実践をきちんと受け止めることができなかった。

斎藤保育は氏自身の深い身体論に支えられているのだが、その身体論を私自身が理解することができなかったのである。音楽教育研究においても最近身体論が盛んに唱えられるようになった。日本音楽教育学会の『音楽教育実践ジャーナル』の最新号の特集は、身体論「音楽する身体」である。どれも秀作だが、斎藤氏の身体論にふれたものはない。と言うより、日本音楽教育学会関係では(私の記憶する限り)とりあげられたことがない。

斎藤氏の身体論と音楽教育論。誰かがきちんと整理する必要があると思うのだが。

http://yoshidatakashi.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-8566.html
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by d_mitsuda | 2009-08-19 01:24


木の香治療院 院長日記


by d_mitsuda

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