調理革命 ~ 低温スチーム
昨日、低温スチーム調理のセミナーに行って来ました。低温スチームとは、その名の通り、低温のスチーム(蒸気)で食材を蒸すことを言います。講師は、元早稲田大学 客員教授、現低温スチーミング調理技術研究会代表の平山一政先生です。平山先生は、昨年のためしてガッテン、先月の世界一受けたい授業にも出演されました。
場所は、西馬込にあえるウェルネスコンプレックス・レテ、お昼の11:00から2時間のセミナーでした。まず始めに主催者のナカムラタカコさんのお話があり、その後に平山先生の講義、低温スチームの実演、そして低温スチームで実際に調理された食材の試食会と言うプログラムで行われました。
低温スチームの特徴はたくさんありますが、一番の特徴は、なんと言っても食材の質を高めることにあります。通常加熱すると食材に含まれる(一部の)栄養素は壊れる(少なくなる)と言われますが、低温スチームの場合、生で食べる以上に増えます。埼玉県産業技術総合センターの研究によると、シソ葉を55度で10分低温蒸しすると、生の状態に比べビタミンCが約2.5倍増えました。また抗酸化物質として知られるリコピンについても、トマトを85度で10分間蒸すと、生の状態に比べ約2.5倍増えました。
また低温でゆっくり加熱するので、食材が持つ酵素が活性され、ある程度デンプンはグルコースに分解され、タンパク質はアミノ酸に変わるので、消化器官における消化吸収が容易になります。そのため、消化に掛かるエネルギーが少なくて済み、その分代謝にまわすことができるので、疲れにくく、また病気をしている場合は早く回復するようになります。
酵素栄養学のパイオニア エドワード・ハウエル博士は、その著書「医者も知らない酵素の力」で、加熱(四十数度以上)によって食材中の酵素がなくなることを防ぐため、生食(ローフード)を勧めています。日本でもこの考え方が段々と浸透し、鶴見隆史医師や新谷弘美先生もこの考え方を支持しており、実際に良い治験もたくさんあるので、ある面では真実なのだと思います。
しかし、様々な文献を読むと、酵素の種類によって酵素活性の温度が異なり、50~60度くらいで活性するもの、また80度くらいで活性するものがあります。実際、発酵食品は、50~60度くらいで微生物と酵素の力で発酵しますし、酵素玄米などは70度以上の温度で発酵が行われます(酵素が活性化します)。
つまり、酵素活性の至適温度が上述の通り様々であると言う事実を考えると、焼いたり炒めたりする等のあまりにも高温の場合を除いては、酵素は四十数度以上でも壊れないものもたくさんあり、この酵素を活かすのには必ずしも生で食べる必要はないと言うことです(但し、体内温度で活性化する酵素は、四十数度以上に熱すると、壊れてしまうのかもしれません)。実際様々な実験で、食材は生よりも茹でた方が胃の通過時間が短いことが確認されています(つまり茹でた食材の方が、胃での消化時間が短くて済む)。
いずれにしましても、食材の栄養素の増加や消化吸収の容易さの向上等を考えると、生よりも低温スチームで調理した方が、より良い影響を私たちにもたらしてくれるように思われます。
更に低温スチームは、煮物のように食材から(水溶性の)栄養素が抜けないので、植物全体食を行う上でもとても良い調理法だと思われます(煮汁も飲めば、煮物も問題ありませんが)。
低温蒸しした食材は、冷蔵庫に1~2週間ほど保存しても、品質の劣化がほとんどありません。平山先生は、食材に付着している菌が、蒸気により死滅するためと話されていましたが、もしかしたら、自然栽培で育った野菜のように生命力が増すことが理由なのかもしれません。このように食材が劣化しないのでしたら、調理した後にタッパ等に保存することも可能ですので、1人暮らしの方も量を気にせず、気軽に料理が出来るようになります。実際、1人暮らしのご老人の食事の問題は深刻らしく、低温スチームを覚えることによって、この問題が解消されたという話しがたくさんあるそうです。
また、食材の劣化が少なくなると言うことは、農薬やポストハーベストを軽減することができ、その意味においても野菜の品質向上が期待されます。実際、低温スチームで蒸した野菜を出荷する農家の方も出てきているようです。
更に低温スチームは、食材の劣化軽減だけでなく、上述したように野菜の質が上がるので、野菜本来の味をより楽しむことができます。従って、粗塩等の簡単な調味料のみで食たべても十分に美味しく頂けますし、何時間も煮込んで味を染みこませることなく野菜を合わせて簡単に味付けするだけで、プロと同じような味を出すことも可能となります。
そして低温スチームの対象となる食材は、野菜、果物、肉、魚等、あらゆる種類に及びます。果物などは生で食べるより熟成が進み、より美味しくなります。肉や魚は、高温で焼いたり炒めたりしないので、脂の酸化の問題が防げます。
実演で低温スチームした野菜、果物、鶏肉、魚を食べましたが、何の調味料もつけなくてもとても美味しいものでした。
このように無限の可能性を持った低温スチームは、今までの調理のあり方を根本から変える、まさしく調理革命と言っても過言ではないように想います。今後のますますの普及を祈っております。
なお低温スチームによる野菜の調理法は、こちらのブログもとても参考になります。
場所は、西馬込にあえるウェルネスコンプレックス・レテ、お昼の11:00から2時間のセミナーでした。まず始めに主催者のナカムラタカコさんのお話があり、その後に平山先生の講義、低温スチームの実演、そして低温スチームで実際に調理された食材の試食会と言うプログラムで行われました。
低温スチームの特徴はたくさんありますが、一番の特徴は、なんと言っても食材の質を高めることにあります。通常加熱すると食材に含まれる(一部の)栄養素は壊れる(少なくなる)と言われますが、低温スチームの場合、生で食べる以上に増えます。埼玉県産業技術総合センターの研究によると、シソ葉を55度で10分低温蒸しすると、生の状態に比べビタミンCが約2.5倍増えました。また抗酸化物質として知られるリコピンについても、トマトを85度で10分間蒸すと、生の状態に比べ約2.5倍増えました。
また低温でゆっくり加熱するので、食材が持つ酵素が活性され、ある程度デンプンはグルコースに分解され、タンパク質はアミノ酸に変わるので、消化器官における消化吸収が容易になります。そのため、消化に掛かるエネルギーが少なくて済み、その分代謝にまわすことができるので、疲れにくく、また病気をしている場合は早く回復するようになります。
酵素栄養学のパイオニア エドワード・ハウエル博士は、その著書「医者も知らない酵素の力」で、加熱(四十数度以上)によって食材中の酵素がなくなることを防ぐため、生食(ローフード)を勧めています。日本でもこの考え方が段々と浸透し、鶴見隆史医師や新谷弘美先生もこの考え方を支持しており、実際に良い治験もたくさんあるので、ある面では真実なのだと思います。
しかし、様々な文献を読むと、酵素の種類によって酵素活性の温度が異なり、50~60度くらいで活性するもの、また80度くらいで活性するものがあります。実際、発酵食品は、50~60度くらいで微生物と酵素の力で発酵しますし、酵素玄米などは70度以上の温度で発酵が行われます(酵素が活性化します)。
つまり、酵素活性の至適温度が上述の通り様々であると言う事実を考えると、焼いたり炒めたりする等のあまりにも高温の場合を除いては、酵素は四十数度以上でも壊れないものもたくさんあり、この酵素を活かすのには必ずしも生で食べる必要はないと言うことです(但し、体内温度で活性化する酵素は、四十数度以上に熱すると、壊れてしまうのかもしれません)。実際様々な実験で、食材は生よりも茹でた方が胃の通過時間が短いことが確認されています(つまり茹でた食材の方が、胃での消化時間が短くて済む)。
いずれにしましても、食材の栄養素の増加や消化吸収の容易さの向上等を考えると、生よりも低温スチームで調理した方が、より良い影響を私たちにもたらしてくれるように思われます。
更に低温スチームは、煮物のように食材から(水溶性の)栄養素が抜けないので、植物全体食を行う上でもとても良い調理法だと思われます(煮汁も飲めば、煮物も問題ありませんが)。
低温蒸しした食材は、冷蔵庫に1~2週間ほど保存しても、品質の劣化がほとんどありません。平山先生は、食材に付着している菌が、蒸気により死滅するためと話されていましたが、もしかしたら、自然栽培で育った野菜のように生命力が増すことが理由なのかもしれません。このように食材が劣化しないのでしたら、調理した後にタッパ等に保存することも可能ですので、1人暮らしの方も量を気にせず、気軽に料理が出来るようになります。実際、1人暮らしのご老人の食事の問題は深刻らしく、低温スチームを覚えることによって、この問題が解消されたという話しがたくさんあるそうです。
また、食材の劣化が少なくなると言うことは、農薬やポストハーベストを軽減することができ、その意味においても野菜の品質向上が期待されます。実際、低温スチームで蒸した野菜を出荷する農家の方も出てきているようです。
更に低温スチームは、食材の劣化軽減だけでなく、上述したように野菜の質が上がるので、野菜本来の味をより楽しむことができます。従って、粗塩等の簡単な調味料のみで食たべても十分に美味しく頂けますし、何時間も煮込んで味を染みこませることなく野菜を合わせて簡単に味付けするだけで、プロと同じような味を出すことも可能となります。
そして低温スチームの対象となる食材は、野菜、果物、肉、魚等、あらゆる種類に及びます。果物などは生で食べるより熟成が進み、より美味しくなります。肉や魚は、高温で焼いたり炒めたりしないので、脂の酸化の問題が防げます。
実演で低温スチームした野菜、果物、鶏肉、魚を食べましたが、何の調味料もつけなくてもとても美味しいものでした。
このように無限の可能性を持った低温スチームは、今までの調理のあり方を根本から変える、まさしく調理革命と言っても過言ではないように想います。今後のますますの普及を祈っております。
なお低温スチームによる野菜の調理法は、こちらのブログもとても参考になります。
by d_mitsuda
| 2010-10-12 22:03
木の香治療院 院長日記
by d_mitsuda
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