東京医科歯科大学 元名誉教授 故 堀口申作が発見したBスポット療法と言う治療法があります。鼻の奥の方に鼻咽腔（びいんくう）と言う領域があり（現代解剖学においては上咽頭と言います）、ここを消毒液（塩化亜鉛溶液）で消毒する療法です。鼻咽腔の頭文字を取ってBスポット療法とも呼ばれます。

この鼻咽腔は、外気が溜まりやすい空間で、また自律神経を司る視床下部の真下にあるため熱を持ちやすく、非常に炎症しやすい場所です。また昨今の大気汚染や不適切な食生活も、炎症の発症に拍車をかけています。実際、現代人の9割近くの人が鼻咽腔に炎症を持っていると言われています。

堀口先生は、鼻咽腔の炎症と身体の病気に密接な関わりがあることを発見しました。そして、耳鼻咽喉科で使う長くて特殊なめん棒を用いて、鼻咽腔を消毒し炎症を抑えることで様々な病気が治ることを、30年以上に亘る臨床経験の中から発見しました。以下、その一例です（堀口申作 著「原因不明の病気が治る」より転載）。

・かぜ、頭痛　（頭痛の治癒率は１００％）、顔の痛み、肩こり
・めまい、低血圧、自律神経失調症、神経症、心身症
・関節リウマチ、扁桃炎、糖尿病、膠原病
・アレルギー、ぜんそく
・口内炎、歯痛、歯槽膿漏、胃潰瘍、白蝋病
・がん予防

関節リウマチは、現代医学では治癒不能と言われていますが、高確率で治癒ないしは改善しています（鍼治療も非常に有効です）。
癌については、がん治療の症例はないそうです（がん治療のために、堀口先生の耳鼻咽喉科のクリニックに訪れた方がいなかったため）。しかし鼻咽腔治療を行っている方で、癌の再発者は０％でした。

これほどまでにすさまじい威力を発揮した治療法、学会で発表してもほとんど相手にされることはありませんでした。しかしそれにめげることなく治療を続け、今はそれを実施する耳鼻咽喉科も少しずつ増えてきました。

私の患者さんで、鼻咽腔治療を行った方がより良い効果が出ると思った方には、鼻咽腔治療を勧めています。但し、鼻咽腔治療は非常に痛いので、抵抗を感じる方にはご自宅での鼻洗浄を勧めています。

先日もある患者さんに鼻咽腔治療を勧めたところ、「まず先生が行ってみて下さい」と言われてしまいました。そこで早速、田園調布にある藤田耳鼻咽喉科に行ってみることにしました。理事長の杉浦昭義先生は、「医者の大養生」の著者としても知られ、とても素晴らしい先生です。

いざ鼻咽腔治療を受けると、噂に違わず激痛です。治療後も数時間、場合にはよってはその日一日鼻咽腔がヒリヒリと痛み、あるいは体全体に熱を帯びたような感じがします。しかし翌日には全体的に体が楽になっています。素晴らしい治療法だと実感いたします。また機会があれば受けてみたいと思います。