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衛気

今日は鍼の研修会がありました。もう10年近く通っている研修会ですので全て聞いたことのある話しですが、毎回新しい発見があります。

今日の午前中の講義は気血の生成についてでした。
先日のブログでも書いたように、東洋医学では人体の中を気が流れており、その滞りや過不足によって病気が起こると考えます。気は、分布部位や機能の違いによって元気(げんき)、栄気(えいき)、宗気(そうき)、(えき)の4種存在します。

どれも重要な作用を持っていますが、寒さや暑さ、湿気等の外から皮膚を通してやってくる害から、人体を守る役目を持っているのが衛気です。また皮膚を潤したり、汗腺の開閉調節により体温の調節を行うのも衛気の重要な役割です。つまり衛気は皮膚と密接な関わりがあります。

東洋医学では、衛気は、食べ物が胃・小腸で消化された後、その消化産物から大腸で作られると考えます。つまり原料である食事が不適切であったり、あるいは精神的不調による消化機能の低下、特に大腸に異常が場合は、衛気の正しく生成されなくなります。そうなると、衛気が上述の機能を果たせなくなるので、風邪をひいたり、皮膚の状態が悪くなったりします(湿疹 等)。

現代医学においても、皮膚の状態は大腸の状態と密接に関わりがあることが認めらるようになって来ました。例えば近畿大学医学部の山田秀和博士及び泉谷良博士の研究では、アトピー患者は大腸粘膜にも炎症を起こしていることが確認されています(参考:江部康二 著「ドクター江部のアトピー学校〈1〉心と体編」 )。

実際、湿疹のある方に大腸に影響を与えるツボに鍼を刺していると、治療後湿疹が消えていることがあります。
何千年も前に確立した東洋医学の生理・病理観は、現代医学にひけをとらない優れた先見性・正当性があるとつくづく感心いたしました。
by d_mitsuda | 2011-10-03 01:23 | はり灸


木の香治療院 院長日記


by d_mitsuda

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