ブータンの王様が結婚したと、ニュースに流れていました。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111013/asi11101321520002-n1.htm

若いながらも国民から絶大な人気を誇る王様のご結婚は、かつてブータンにボランティアとして３年ほど赴任していたこともある私としても、とても嬉しいことです。

私が赴任していた当時、現国王のお父様が王様をされていました。私たちボランティアには普段王族との接点はありませんでしたが、日本の皇太后様が崩御された際、王様がブータン在住の日本人のめに法要を催して下さり、その時初めて王様に拝謁することができました。その時は、なんと幸運なことに私の隣に座られ、（英語で）二言三言お話ししたことを覚えています。

ブータンほど、王様が国民から圧倒的に愛されている国は、他に知りません。（決して強制ではなく）各家庭には王様の写真が飾ってあります。またブータンの方々と王様の話をすると、王様の賢明さ、国民に対する愛情、そして質素な生活をいつも自慢していました。

ブータンには、GNH（Gross National Happiness 国民総幸福度）と言う独特の価値基準があります。GNP（国民総生産）のような金銭的・物質的な豊かさではなく、国民が幸せを感じていることが国の繁栄を示すとする考え方です。実際の測定には１００近い指標がありますが、２００７年の国勢調査において、「あなたは幸せか」と言う問いに対して９割の国民が「幸福」と答えました。

ブータンは決して豊かな国ではありません。田舎の方にいくと、電気も水道もない住まいに住み、粗末な服を着ていること人も多々います。しかし、そうであっても目が輝いているのです。大人も子供も卑屈さや悲惨さを微塵も感じさせず、楽しげにキラキラと目を輝かせ、幸せそうに日々の生活を送っているのです。

この理由は何なのか。
敬虔な仏教徒であると言うこともそうでしょうが、やはり国のリーダーである王様の存在が大きいのではと思います。その王様のご結婚は、ブータンの人々にとっても本当に喜ばしい出来事なのでしょう。
お二人の幸せを、そしてブータン国民全ての方々の幸せを祈っております。