講演２人目は、当講演会の主催者で、国際環境保全研究所代表・自然との共生塾塾長　舟橋慶一氏。テーマは、「レオナルド・ガレンテ博士の長寿遺伝子の発見と千島博士の気・血・動の調和」でした。

長寿遺伝子とは、人間が誰しもが持っている遺伝子で、長寿や糖尿病等の病気発症予防に関与する遺伝子です。これを活性化することで、私たちは健康長寿が期待できます。
これを活性化する条件は、「カロリー制限（腹七分目の食事）」、「運動」、「心の安寧、希望・生きがいを持つ」の3点です。昔から健康に必要なことと言われてきたことが、現代医学的にも正しいことが証明されました。

カロリー制限については、各種実験結果があります。
マウスの摂取カロリーを６５％にすると、寿命が2倍近く伸びました。
アメリカ・ウィスコンシン大学の赤毛ザルを使った研究では、カロリーを７０％で育てた赤毛ザルは（但し、ミネラル・ビタミンの摂取量は減らさない）、普通の量の食事を与えた赤毛ザルに比べ、２０年後、毛並みや敏捷性、若々しさ等、あらゆる点でカロリー制限をしたサルの方が上回っていました。

上述したように、長寿遺伝子を活性化する方法は、昔から健康長寿の秘訣と言われてきたことですが、日本でもそれを科学的・生物学的に解明していた人がいます。それは千島学説を提唱した千島喜久雄博士です。
千島博士は長年の研究から肉体（細胞）は食べ物から出来ることを発見し、かつ精神の安寧や運動が健康に必須不可欠であることを述べられてきました。そしてこれを「気血運の調和」という言葉で説明されました。気は精神（心の安寧、希望・生きがいを持つ）、血は肉体（食事）、動は運動を意味します。

このような研究に接すると、健康と言うのは生き方一つで手に入れられるものだとつくづく思います（とすると、鍼灸師の仕事はなくなってしまいますが・・・）。
千島学説と長寿遺伝子については、こちらもご参照下さい。